今日中に帰ってくるはずであったtetsuのデザートも食べ終わり、
一服つききったところでkenは腰を上げた。
「さ〜て、そろそろお姫さんのご機嫌伺いに行って来ますか」
そう呟くと最後の一本を灰皿で消し、鼻歌交じりで目的の部屋に向かう。
なかなか自分の仕掛けた悪戯にご満悦なのである。
目的地の前で立ち止まり、しばし中の様子を伺う。
「あら、静かやね? 泣いてるか悪態ついてるか
どっちかやと思うてたんやけど?」
まさかもう寝てはいまいだろうなと思いながらも扉をノックする。
「hydeさ〜ん? いてる〜? 入るよ〜?」
返事はなし。
少しドアを開けて中を覗いてみる。
机の上に突っ伏したままの小さな背中を発見する。
あらら? もしかしてほんまに寝ちゃってんの?
よく見ると背中が規則正しく上下運動をしている。
彼は自分の悪戯にかかったんだろうか?
ちょっと心配になってきた。
それを確認する手だてはないにしても、
背中に何か羽織らせるくらいはしても許されるだろうと、
本人の承諾はないが部屋に滑り込む。
「よく寝ちゃってるね」
顔を覗き込もうとして白い封筒と、
彼の右手に下敷きになっている一枚の写真に気がついた。
しかし、その写真の惨状たるや。
ビリビリに破かれた上、それをまたジグソーパズルのように張り合わせ、
裏側からテープで修復されている。
しかも、よほど細かく破いたようでまだ少し修復途中。
「疲れ寝ですか?」
期待でワクワクしながら彼が起きないようにそっとその手の下の写真を取り上げる。
「ぷっ」
どうやら彼は自分の悪戯にまんまとハマってくれたようだ。
それも期待以上に。
裏返した写真には「アホ」とか「エロ」とか「バカ」とか書かれた挙げ句、
見事なパンダメイクまでされた男のアップがあった。
思っていた以上の効果に大満足!
「・・・・・・・のつもりやったんやけどなぁ」
つぎはぎだらけの写真を元の場所にそっと戻しながら、
kenはたぶん、直した後に書き込んだであろう言葉を見て、
切なくなった自分の気持ちに気がつき少し後悔した。
『ごめんね』」」
「・・・・って、愛されちゃってるのね。
これじゃ付け入るスキ無しって感じやん」
寝入っているhydeの背中にベッドの毛布を掛け、静かに部屋を出る。
自分の部屋に戻るのもなんだか嫌でリビングに行くが、
やっぱり暇を持て余す。
「あ〜ぁ、teちゃんはよう帰ってきーひんかなぁ〜?
アホくさいことしてもうたなぁ〜。
たいくつやなぁ〜
・・・・・・・あ、あの写真、今度はteちゃんに見せたろかな?」
長い手足を伸ばしきり、もう一本吸うかと思ったところで、
さっき吸いきってしまったことを思い出す。
「ほぇ〜〜〜、口寂しいったらありゃしないのね」
瞳の先、
テーブルに載せた足のつま先だけ見る。。