誤解が生んだ奇跡


え!  は? な? どうされたのですかHYDE様!
 
あっ! 思わず目を開けてしまいました。
み・耳も。
 
あーーー!! 何をされたのですかHYDE様!!!
そんな、ベッドに蹲るほど櫻澤様に痛いことをされたのですか!!
わたくしとしたことが、痛いことって・・・・何でございますかーーーー!!!!!
 
「ごめん、大丈夫か、hyde。 だって、お前もう痛くないって」
「ゆったけど、そんないつもみたいにされたら痛いよ」
「じゃ、どーしたらいいんだよ」
「えーと。 ・・・・・・・は・初めの頃みたいにするってのは?」
 
・・・・・・・・・・・・・(←サクラ)
・・・・・・・・・・・・・(←hyde)
・・・・・・・・・・・・・(←執事・瀕死)
 
「初めの頃か。 初めのころってそういえばhyde、乳首あんまり感じなかったよ
 な?」
「そうやったっけ?」
 
「そうそう。 それどころか、こうして摘んでも痛がって大変だった」
「う、あ・・さっきみたいに痛くするなよ」
 
「なんか真中に芯があるって感じ」
「だから・・・・貫通してるんだってゆーの」
 
「ん〜、今までとは違う舌ざわり〜」
「あんまり舌でバーベルひっかけないでね」
 
H・HYDE様の乳○を吸われてらっしゃるのですか? 櫻澤様〜〜。
 
「初めの頃ってさ、俺も思わず強く吸いすぎて、hydeよく乳首切れてたよね。
 次の日痛くて触らせてくれなかったよなぁ」
「あ・・ん・・・、うん、何で痛いのか最初分からへんかったしね」
 
初めの頃とは一体いつ頃のことでございますか!
もちろんわたくしめがまだHYDE様にお仕えする前でございますよね!?
ということは、祖父は何をしていたのでしょう!
こんなでっかくて黒い虫がHYDE様に付いていたとは!
 
「痛いからやめてって言われると、なんかイケナイ気になってさー」
「若かったね、サクラも...ッ、いた・・や、いたいやろっ!」
 
「だから、「痛いっ」って言われると、イケナイ気分になるなー」
「あー、サクラ」
 
わ・わたくしはHYDE様の執事でございます。
執事というお仕事は、主のことを敬愛しなければ上手く勤まりません。
そして執事というものは、常に私を滅却し主に仕えなければなりません。
ですが!
執事である前に一人の人間として、わたくしはHYDE様のファンであるというこ
とを否定することができません。
 
そのいちファンとして正直に申し上げます。
櫻澤様の唇がHYDE様のお肌にお触れになる度に、身体が反応してしまわれ
るHYDE様のこのようなお姿から、わたくしはもはや目をそらすことができません。
 
HYDE様を見つめる櫻澤様のお優しいご表情。
愛しさのあまりに今にもとろけてしまいそうないつくしみの眼。
ベッドの上で重なり合う櫻澤様とHYDE様のお身体。
HYDE様の唇からかすかに漏れる甘美なお声。
なぜでございましょうか、同性の契り、すでにとうのお立ちになられたお二人で
ございますのに、まったくその手のいやらしさを感じません。
 
 
「金属と一緒に舐めると、お前の乳首、一層柔らかく甘く感じるんだな」
「は・・・もうやめてよ、さくら。 ちくびばっかり」
「それにさぁ、乳首に刺激受けて、ちょっと胸も発達したんじゃないの?」
 

!!!!!!!!!
 
櫻澤様はもしかして少々困った(最低な)方でいらっしゃいますか?
せっかくのわたくしのお二人への取り繕いが、全く功を失ったではございませか!
HYDE様も、そのような櫻澤様の困った(下司な)発言でお身体をよじられてお悦
びになられるなど、はしたのうございますよ!
 
こうしてはおれません! 
これ以上わたくしめの主人、HYDE様に対する愚行は許してはおけません。
HYDE様も長年のお付き合いで、そのように困った行動(蛮行)を平気でされる櫻
澤様に親炙しすぎではございませんか!
いえいえ、きっと無理矢理そういうお身体にされてしまわれたに違いありません。
 
あっ! こらっ! 服を脱ぐな! 脱ぐなーーーー!!!
HYDE様に跨がったままなんという。
あーーーー!!! ベルトなぞ引き抜かなくともいいーーーー!!!
H・HYDE様も櫻澤様のズボンのチャックに手を掛けるなど・・・そ・それは。
櫻澤様のご指示でございますかーーーー!!!!
 
「どうしたん? サクラ。 ベルト、どっかに引っかかってんの?」
「い・・・や、えっとそのHYDE、ちょっとチャックおろすのやめてくれ」
 
「なにゆうてんにゃ?」
「わっ! まずいから。 引っぱり出すなよ、な」
 
「今更そんなん聞かん!」
「あああ、ちょっと待て!」
 
なんというおぞましい光景。
膝立ちされていらっしゃる櫻澤様の股間部分に、ベッドから半身起きあがったHYDE
様の頭が被っているなどと。
愚鈍なわたくしめでもHYDE様が何を『させられて』いらっしゃるのか充分に分かりま
すですよっ!
 
しかし、う〜ぬ、櫻澤様。
HYDE様が必死にご奉仕されていらっしゃるというのに、なんでございますか、その
煮え切らない表情はっ!!!
 
「サクラ、お前・・・なに萎えてんの!」
「・・・・・萎えもするよ」
 
「う、こ・このやろーーー!!!!」
「ぐっ!」
 
おぉ! 櫻澤様の腹部にHYDE様のパンチがスイング気味に見事に決まりました。
さすがでございます、HYDE様。
 
櫻澤様、HYDE様にここまでさせておきながら自らを奮い立たせることができぬなど、
情けのうございますな。
おまけにそのように、HYDE様の猫パンチをお受けになったくらいで身動きがお取り
になれなくなるなど、些かお身体が(特に腹部)なまっておいでになられるのではご
ざいませんか?
 
「サクラッ! お前、ラルクのLIVEいつ観に来るつもりなんだよっ!」
「な・・・なんだよぉ〜、いきなり。 いってぇ〜〜〜〜」
 
「観に来る気があんのか!? ないのか!? どっちなんやっ!?」
「人のこと指しながら話すんじゃありませんって、お前の執事はお前にそう躾なかっ
 たのか?」
 
むむぅ〜〜、自分の不躾を棚に上げ、わたくしのことまで引き合いにだしてHYDE様
のことを非難されるとは、櫻澤様は本当になかなかに困った(無礼千万な)方でご
ざいますね。
 
「うっさい!!! 来ないつもりなんか!」
「行くよ。 ちゃんと予定入れてあるから」
 
「いつ!」
「なにトゲトゲしてんだよ。 25日、富士急の一日目か?」
 
「また誰かと連んでくるんやろ、どうせっ!」
「そうだけど? ダメなのか?」
 
「誰と!」
「あき」
 
++++++++++++++++++++++++++++++++++
 
 
− 以下執事後日談より −
 
その後のHYDE様のお怒りようは近年まれに見ぬものでございました。
脱ぎ捨てておりました鋲やら何やら痛そうなものが大仰に付属した重そうなお召
し物で櫻澤様のお顔を思いっきり叩かれますと、
 
「25日やなっ! ちゃんと来いよっ! 最高のLIVEにしてやる!」
 
そう怒鳴られていらっしゃいました。
それから、ベッドの上でのたうち回っていらっしゃる櫻澤様を後目にお召し物を肩に
引っかけますと、上半身裸のままでお部屋からお出になって行かれました。
 
あぁ、そうそう。
お部屋からお出になる際に、
 
「『お前の』可愛い後輩にもよろしくゆっとけっ!」
 
などと、竜顔を魔物のように変貌させてお叫びになっておいででしたね。
もちろんそのようなお顔のHYDE様でさえ典麗でございましたが。
 
わたくしめでございますか?
はい。
上半身裸のままホテル内をうろつかれるHYDE様をお止めしようと、ベッドの上で10分
は再起不能であろうと思われます櫻澤様に惨死の思いで助けをお願いしたにもかか
わらず、あのお方は柱に挟まれたままのわたくしをそのままにしてお部屋を出て行か
れました。
 
まったく困った(寛恕なき)方でございます。
 
それからこれは余談ではございますが。
25日、約2万人を集客した富士急コニファーフォレストにおきまして、その聴衆の中に、
巨大スクリーンに映されているHYDE様ご自慢の銀の煌きの前で、
「神だ。 神LIVEだ〜」
と見入る『お二人の』後輩の横で、頭を抱え込む櫻澤様が目撃されたそうでございます。
 
 
2007.09.01
 

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