女心な男心


化け物たちが右往左往する楽屋裏。
一角だけほっとする空間があった。
とはいうものの、中世貴族のお姫様スタイルに仮装したアニスと、
今回のライブの意味を全然分かってない素のオリヴィア。
飛び交う言語は当然英語。
 
「あ〜、アニス! 初対面でオリヴィアいじめんな」
 
真剣に何事かを話し込んでいる2人の横を、
これまたデストスーツのhydeが通り、話し掛ける。
 
「違うよ〜、いじめてない、いじめてない」
「じゃ、何でオリヴィア沈んでんの?」
「いや〜、恋愛相談みたいなものでござりますワ」 
「どんな話〜? 男心ならお任せ。 女心なら、俺様もっと得意よん」
「キャー、ハイ子ならいい相談相手になる・カモ〜〜ン」
「まっかせて〜ん」
 
アニスの異様なオネエテンションに乗せられて、
何だかhydeも怪しくなってくる。
でも、全然違和感のない二人。
ある意味この中で一番の化け物コンビだ。
 
 
「要するに、オリヴィアの彼、素っ気無いんだ
 ・・・んと、アノ後ってこと?」
「そのようだわねぇ」
「仕方ないよ。性欲は原始的衝動だし、
 男のSEXの目的は、本来は種の存続だから。
 それ以外に使うエネルギーは残せないんやって、英訳、英訳」
「OH〜〜! Materialistic!」
 
「そのとおりなのですわヨ。でも、アニスはちゃんとMake Loveしてるわよ」
「ヘェ〜〜〜・・・・・」
「オリヴィアもそこが不満のようねぇ」
 
「男と違って、女のSEX情報にはロマンティックなイメージやら
 言葉やらがあるからなぁ。
 肉体と同時にそちらも満たされないと満足半減なのよっってことやな、英訳」
 
「ハイ子ったら分かってるわね! 流石よ!ですって」
 
「まぁねん! そうよねぇ、する前はあんなに情熱的に歯の浮くような台詞だって吐くくせに、
 ヤッたら一仕事終えたみたいにされんのって腹立つわよねー!
 ましてや、煙草なんか一服なんてされちゃったらすんごい盛り下がり!
 その前に何か言うことあるんじゃない?
 よかったよとか、愛してるよとかって、そんな一言で身体だけの繋がりじゃないって
 安心したりするのよねー! そゆの分っかんない男って最低よっ!」
 
「(同時通訳中) すごいワ! ハイ子、女の子の気持ち掴んでるワ!
 ハイ子とSEXできる女性は幸せネって感動しちゃってるのよん、オリヴィアったらん」
 
「・・・えっと・・・・、と・当然じゃない! 
 ハイ子はそんな男許さないわよ!
 それにハイ子はそんな男とはSEXしないわよっ!」
 
「や〜〜ん、じゃ、ハイ子の理想の男性ってどんなのですかしら?
 アニス勉強になるぅ〜〜」
 
「そうねぇ・・・、大人で子供、頼れて頼られて、
 でも肝心なときはしっかり頼れて、豪胆で繊細・・・
 う〜〜ん、難しいわネェ。 
 深〜〜く自分だけを思ってくれて、いつも見守ってくれてるの。
 でもね、見守ってあげれることも嬉しかったりするのよねぇ〜〜〜。
 ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」 
  
「・・・・・・・・・やだぁ〜、ハイ子ったら。
 こんなところで(奥さんとのこと)ノロケないでよ!
 も〜〜う! アニスったら顔がほってちゃうわ!」
 
「え? 俺、ノロケてた? ノロケて・・・・アハハハハッ!
 俺、ノロケちゃった〜〜〜。
 ハハハハハハハハハハハ・・・・・・・」
 
 
 
会話の内容がとんでもなく違和感だらけなのに、
様相に誤魔化されて誰も何もつっこまない。
そんな川崎ハロゥイン・ナイトは今日も不気味に更けていく。

     「OH! TRICK OR TREAT!」
           「OH! TRICK OR TREAT!」

2005.12.22
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