ゆ・指が、ちょっと、待って。
舌が、ああ、いやだ、そんなの。
さっき、手首に巻きつかれた感触が・・・・
まだ残ってるみたいで・・・・・
「わっ!」
ヒヤッと、冷感・・・・今度は、胸?
踊り狂ってるタコを、俺の胸に落としてるサクラ。
流石にこれはちょっと・・・・パニック!
「な! いやだ! どかして、どかしてや、サクラ!
あ〜〜〜〜、いやだ、きしょわるい〜、 あほ〜!」
もう、手で払うのも嫌だ。
身体を揺すっても、吸盤で吸い付いていたり、
トロッとした粘液で緩慢に移動するだけ。
もうあかん、見てられへん。
「お願いサクラ、もう俺、だめ。 はよう取って」
「じっとしてろよ」
胸の上で動くのは、サクラなのかあの軟体動物なのか・・・
尖端に吸い付いてるのは・・・・サクラ。
「んっ・・・はぁ」
でも、片方は・・・・
サクラの指はどれなんだろう?
脇を撫で上げてんのは?
俺の指に絡んでんのは?
身体に吸い付きながら、下がって行くのは?
さっきまで萎えていた自分が、徐々に変化し始めるのが分かる。
俺、興奮してる。
こんな気持ち悪いことされてんのに。
「濡れてるし、立ち上がってるぞ」
「ん・・・」
「ハイドの、ぬらぬらしてて、ピクついてて、まるでさ・・」
「サクラ! いい加減に、ああっ」
サクラが俺を含む。
舌が、口中の粘膜が、絡みついて。
ゆっくり締め付けられていく、俺。
「あぁ、あ〜、ん・・あぁ! いやだよ!」
そんな生ぬるい刺激じゃイケない。
サクラ、いつものようにしてよ。
指が入ってくる。
「はぁ・・・あ・あ・んん。 あぁ、サクラ」
そう、そこを触って、擦って、あぁ、感じるから。
やめないで、もっとして。
舌も、んん、そこを舐めて。
早く、もっと早くして。
指、指が気持ちいいよ、サクラ。
「あ・・気持ちいい」
あぁ、指。
身体中、弄られてる。
これはサクラの指? なの?
「待てよハイド、一緒がイイ」
少しの刺激に身体の震えが止まらなくなった俺に、
サクラが、低い声で、囁く。
その声、深くて、ゆらゆらする。
もっと耳に・・・唇に・・・・・
「う・・・あ・あぁ。 んっ」
俺の腰を高く上げてサクラが入ってくる。
挿入が深まると接吻された。
無理な体勢で苦しいけど、奥にサクラが当たってすごくいい。
サクラの舌に吸い付く。
舌の感触が気持ちいい、ずっとこうしていたい。
「吸い付くのは下だけにしろっ」
俺の口から無理矢理離れたサクラが、動き出す。
大きく律動され、あぁ、サクラに抱きつきたい。
なのに、宙に浮かした両手は捕まれると、
頭の横で組み敷かれた。
律動と一緒に、爪で掌を引掻かれる。
「はっ、あぁ〜、い・いやだ」
どうして、そんな刺激が今日は耐えられないよ。
「く、吸い付きすぎ。 ハイド、きつい」
低い声で囁きながら、サクラが頬を舐める。
「あ、サクラ!」
同時に深くつかれ、俺はサクラより先に果てた。
「ん、うぅ!」
麻痺する俺の身体に則されて、サクラも・・・・・・
「悪いな、女将。 ちょっと汚した」
頃合を見計らい、
人気がいない時間帯に呼ばれたタクシーに乗り込みながら、サクラが言う。
「何をおっしゃいますか。 色男の甲斐性でございますよ」
40手前の女の色香を上品な着物で包み、粋な物腰に物言い。
会うたびに日本文化の奇跡を感じせる。
「板長に最高だったと伝えておいてくれ」
「素材がよろしゅうございますからね」
「味覚・触覚・視覚、全て堪能させてもらった」
「生きがよろしすぎて、落ち着いて食せませんでしたのでは?
今度お越しの際は、ゆっくりとご堪能できるものをご用意させていただきます。
またのお越しをお待ちしております。
ありがとう存じました。 どうぞ、お気をつけて・・・・・・・」
やんわりと、『ここは連れ込み宿じゃない』と言われたようだ・・・・・
は・恥かしっ!
「サクラ、俺、しばらくタコはいいから・・・・・・」
「そうか? 俺は、ますます好きになったぜ!」