自分という存在の意義。
抱き合いながら、そんな思考がいきなり湧き上がった。
胸に顔を埋めている男の名前を呼ぶ。
「サクラ・・・」
「ん?」
不意に呼ばれたことで顔を上げ、
怪訝そうに覗き込む。
少し汗ばんで・・・・・
額に張り付いている髪の毛を払ってやる。
愛しい。
その感情には充分意義がある。
どちらからともなく唇を合わせ、舌を絡め合う。
痺れる躰。
そう、この感覚も意義がある。
太腿を撫でられ、首筋に受ける刺激に声をあげる。
「あぁ・・」
己を感じることができるようになったのはいつから?
これが自分だと分かるようになったのは?
そんな不確かで曖昧なもの。
躰を開かれ、自分の中に入り込む存在の感触。
そこにさえも、今では自分を感じることができる。
今は・・・・・こんなにも分かる。
内も外も、輪郭でさえも。
今までの自分は無でしかなかったのかとさえ思う。
「あぁ、なぜ?」
何が、とはなしの虚ろな問いかけに男が囁く。
「魅せられたんだろう、この魂に」
瞬間、鮮明な命を吹き込まれ、
躰に浸み渡る新たな己の存在。
「キスしよう」
それを確かなものにするために、