チョコレート


初めて口にした時不思議な味だと思った。
 
甘くて・・・・苦くて・・・・、少し塩味の。
今まで経験した味覚を足していっても近づけない。
知っているもの全てを幾ら溶かしてもこの味にはならない。
 
かつて、フランスのサド公爵が、これは恋の媚薬だと言った。
彼はデザートに滑り込ませ、食べた者は皆快楽への情熱に燃えつづけた。

そんな言い伝え・・・・
事実に比せば御伽噺だ。
 
 
一口かじった途端に感じた舌の痺れ。
その上に広がるとろけるような甘味。
それは、身体が拒否する間も与えず隅々まで行き渡り。

瞬時に酔わされた。
 
大人げもなく、何度も恋うた。
最初の感覚が忘れられなくて。
いつまでも感じていたくて。
 
 
だか、狂おしいその感覚は、
今も色あせることはない。
 
 
脳の中枢神経を麻痺させるような。
そういえば、モルヒネや大麻との類似要素が微量にあるらしい。
 
麻薬だ。
常に身体に取り込んでいないと不安になる。

反面、
不思議なその味を知っているのは、自分だけなのだという優越感。
 
 
いくらでも溶け合い、味わいあう。
溶け合うほどに、さらに生まれ変わるその味覚。

それにまた夢中になり、
むさぼり喰う。
 
身体も心も神経も、何もかもが狂わされる。
ゆるやかな中毒症状。


手放すことは罪に等しいあやまち。

チョコ中毒です

06.02.14
 
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