「何で?」
「一人は淋しいやろ? 俺は優しい奴らしいから。
こんな時はそうしてやるもんかなと思って」
サクラは眠そうにゴソッとベッドの中に潜り込むと、
いかにも、「仕方ねぇなぁ」といった表情で俺に手を伸ばしてくれた。
そんな彼の両腕を振り払って、
潜り込んでいる布団も取っ払うと、寝転んでいるサクラにまたがる。
「・・・・お前のことを優しい奴なんて言う唐変木は一体何処のどいつだ?」
「何処のどいつもそう言うよ」
「ハーッ! お前それ、正しい人間関係を作るために
ちゃんと撤回しといたほうがいいぞ」
「知るか。向こうが勝手にそう思ってるんやからな」
シャツのボタン、全部外すのが面倒だ。
無理矢理脱ぎ捨てて、サクラに覆い被さる。
熱っぽい手が背中に回って、
静かに撫でられて、
気持ちが和らぐ。
「相手が優しいって思ってんなら、お前は優しいんだろ?」
「サクラは、違うって、今ゆうた」
「・・・・優しい奴って、お前みたいなのに・・今・・付き合ってやってる
俺みたいな奴のことって思ってるからなぁ〜」
サクラの首にしゃぶりつこうとしてやめた。
代りにその耳もとに囁く。
「自分本位の優しさは迷惑やで?」
「それはぁ〜、優しさじゃなくて〜自己満足だぉ〜?」
先ほどのように歯切れのいい返しが返ってこないことに気づく。
・・・・?? サクラ?
うわっ! 眠そうなツラ。
・・・・本当に眠いんだ。
だから体温上がってんのか?
お子様じゃん!
「・・・お前のこと・・良く・・・知らなかったら、
お前にぃ〜・・・ やさしくできない・・・・・でしょ」
「・・・・眠いのサクラ?」
「ん〜〜〜〜〜」
俺が乗ってるのが少し苦しそうで、身体から降りてやると、
サクラはコロッと横向きになり、顔はこちらを向けてるものの、
完全に目を閉じてしまった。
そんなサクラを、隣で寝転びながら片肘ついて見てる俺。
「サクラ?」
「・・・ん〜」
「サクラはどうやって俺のこと知るの?」
「・・・・ヌフフ〜、そぉりゃぁ〜セックスゥ〜だ・ろ〜?」
目を瞑りながら、口元だけニヘっと笑う。
それが返って、ものすごく、
・・・・・・・このスケベヅラオヤジ。
「だから・・お前も、ライヴでSEX・・・客とすんだろぉ?」
片目だけ薄っすらと開けてそう言うと、
スケベヅラオヤジは大きな欠伸をひとつして、
涙目を擦りながら寝言のように呟く。
「お前スゲェよなぁ・・・・えらいよなぁ・・・・・」
「(眠そ、笑)・・・・何が?」
「俺〜お前で手ェいっぱ〜い。
他のヤツに・・・優しくなんて〜なぁ」
「うん」
「嘘でもつかなきゃ、できない・・か〜も〜」
・・・・・・完全寝ぼけてるな、サクラ。
だってお前、優しい。
おまけに俺、寝ぼけたサクラが可愛いって、今、初めて知った・・・・・
「キャパが・・・デカイんだろなぁ?」
? ハコのこと? ククク・・支離滅裂になってきたな。
「きっと・・・hyde〜は〜」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
お前までそんなことゆうなよ。
この唐変木。
「でも、俺のは・・キャパはお前専用〜。
ん〜〜〜〜、寝て、い?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
無意識な自分が俺に優しいことをサクラは知ってるのかな?
「・・・・・寝ていい。添い寝してやる。 優しいやろ?」
「ヘハハァ〜、起きたらシよなァ・・・・」
そう言うと、サクラはもうひとつ軽い欠伸をした。
俺は、このサクラのスケベヅラを可愛いと思うのは、
終
06.05.18