絶頂を迎える。
振りをhydeはする。
確かに、
前を擦られて、握ぎりこまれて、後ろにサクラを感じ、
彼の吐かれる熱い呼吸の連続が身体にダイレクトに響いて、
自分の喘ぐ声と彼の自分をあやす声に胸が高鳴る。
けど、たぶん女が感じているようなエクスタシーはない。
身体を重ねる度に思う。
本当に?
本当にコレが気持ちイイってことなのかな?
女もこんな感じなのかな?
それとも同じ様に内蔵をかき回されても、女と男じゃ感じ方も違うのかな?
でも、サクラとのこの行為は嫌じゃない。
彼が自分に酔って、自分の中でイって、よがり上がる様を見るのはいい。
おかしなことだが、抱かれているのに彼を征服したような気持ちになる。
そして、彼がイった後に自分に投げかける眼差しは
どんなものよりも自分に幸せを感じさせてくれる。
だったらコレで、きっといいんだ
hydeはそう思っていた。
「hyde。 お前、本当は感じてないだろ?」
ベッドの中で「振り」をしていていきなりそう言われた。
「そんなことはないよ、感じてるよ。 好きだよサクラ」
すぐにそう返せば良かったのだろうが、
肌と肌が密着し、身体を目一杯に開かれ、
自分の弱点の全てをさらけ出しているような時に嘘をつけるような奴は、
よほどの聖人か悪人だ。
「そんなことはないよ、感じてる。 好きやでサクラ」
嘘だけど嘘じゃない。
嘘じゃないんだ、でも嘘。
どう言えばいいんだろう?
見る間に中のサクラが冷静さを取り戻す。
彼は溜息をつきながらhydeから抜け出る。
それはhydeに翳りを落とす。
「そんな顔するなよ」
抜き出した自分を拭きながら、サクラは寝ているhydeの横に胡座をかく。
「うん。 ごめん」
hydeもサクラに向き合い、胡座をかく。
熱くなっていた自分も、すっかり熱が引いている。
「ごめん・・・・って。 あー、お互い様でしょ?」
hydeが謝ることはない。
男に抱かれて感じることができないからと謝るなんて
彼にとっては理不尽きわまりないことなのだ。
同時にそんなことで謝られても、どう切り返していいのかわからない。
「そうなのかな?」
「・・・・・・俺だってさー、わっかんねーんだよ?」
「うん」
「だからさー、そういうふうに見せないでよねー。
傷付いちゃいますから、俺」
「そういうつもりじゃないよ」
「うん。 男としては感じてんだろ?」
「///////// はっきり言うとそういうことやね」
じゃあ、お互い男として感じ合ってるならコレでいいのだろうか?
そんな考えが二人に浮かぶ。
じゃあ、自分たちがしているこの行為は必要ないんじゃないか?
お互いに擦り合って気持ちよくなっていればいいんじゃないのか?
もう一度互いを見合う。
「お・俺、そんなの嫌やな」
先に口を開いたのはhydeだ。
「そんなのって虚しい」
「そう?」
「そう?って・・・サクラはどーなんや?」
「俺? 俺は〜お前に触ってるだけで嬉しいからね、ふふん」
は?
今のはちょっと冗談も入っているのかな?
そう思ってサクラの顔を伺うhydeだが、
彼は普通にいつもの調子で、ついでに煙草なんか一服しようとしてる。
「そりゃあね、【俺】で感じてくれるんなら嬉しいけどね。
こればっかりはなんつーの? 無理してそうなるもんでもないでしょ?
女とは違う構造。 これは揺るぎのない事実でね。
あ、俺はお前ん中でものすんごく感じるからね。
正直、お前を越えた女はいないから」
「わ・わかったわかった・・・もーエエよ」
時々サクラは頭良すぎて、常人越えてアホになるな。
でもきっと、情けない顔をしていたhydeが、
「触ってるだけで嬉しい」
と言われて嫌な気はしないことも、嘘ではないけど計算づくだ。
彼はこうやって、いつも行き止まりにならないよう、
迂回路や横道を用意してくれる。
それが遠回りになってもいいんだと言ってくれる。
「えっと、じゃぁ、もう一回俺に触る?」
そして、それが案外hydeへの近道なのだということも
ちゃんと知っている。
終
07.05.12