ゆき誕


「あっ、そうや! あれ、ゆっきぃやろ?」

コーラを買おうと思って行った自販機の前で
先にいたkenちゃんにいきなりそう話しかけられた。

「何のこと?」

「俺がね、ソファーでうたた寝してたときにぃ、
抱えてたギターを外してくれたの、ゆっきぃでしょ?」

「・・・・・え、知らな」

「あ、それから。 tetsuがパソコンを膝の上にのっけて寝ちゃった時、
データ保存しといてくれたのも、
ゆっきぃでしょ?」

「・・・・・・僕じゃな」

「tetsu、“助かったー”ってゆうてたよ。
“誰か知らんけどあんがとー”ってゆってたから、
代わりに俺がゆっきぃにゆっとくねー」

「・・・・・それ、きっとスタッフの誰かだよ」

・・・・・はい、うっそー。
ゆっきぃは嘘つく時、ちょっと間が開くもんねー。
それに、はいどさんがペン持ったまま寝てた時、
ゆっきぃが通りすがりにはいどの近くに加湿器置いていったの、
俺、見てたから」



kenちゃんは得意そうに煙草をふかしながら見下ろしてきた。

ズルイよkenちゃん。
そういうことは先に言ってよ。
僕、嘘ついちゃったじゃん。(バレなきゃ嘘にならないと思っている)

 
kenちゃんは別に大したことでもなさそうに話しているけれど、
そう言われた僕は、どういう態度を取ったらいいのか分からなくて、
kenちゃんに後ろを向いたまま無言でコーラを飲んでいた。

 
♪〜

 
いきなり滅多にならないメールの着メロが鳴る。

 
「珍しい・・・・hyde君からだ」
「えー? 何て何て? ってか、はいどさん何でゆっきぃの
メルアド知ってんの?」

kenちゃんが身体を寄せて、小さな携帯の画面の前に頭を
割り込ませてきた。

 
「普通ーに知ってんでしょ? えっと」

 
『 ゆっきーへ
今日は、おめでとうのかわりに

 ありがとう 

を 』


「・・・・・・hyde君さぁ」

これだけのことで人の顔を綻ばせて、幸せにしちゃうなんて
hyde君はやっぱり凄いな。

返信。

「ありがとう。 
今、横に凹んだkenちゃんがいます。
たまにはkenちゃんにも電話してあげてください」

 
送信。

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07.11.24
最終兵器yukihiro
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