翌朝、サクラおじちゃんは早朝からけたたましく鳴る携帯に起こされた。
ディスプレイには昨夜天使のように優しかったチビhydeパパの名前があった。
「櫻澤ー、ちょっと来いっ!」
今度はキスしてヤリたいから自分のことを呼びつけているんじゃないんだろうな。
サクラおじちゃんはそう思いながら暗い気持で雪駄でペタペタとお隣へ行った。
お隣のリビングでは今のところ本物の天使に一番近いチビhydeが、
サンタさんからのプレゼント、「今どきライダーセット」を抱きながらしくしく泣いていた。
「お前、今年は、「今どきライダーセット」だったんじゃーなかったのかよっ!」
サンタさんに何を頼むのかチビhydeに毎年教えて貰えないチビhydeパパに代わって、チビhydeの欲しい物を聞き出すのはサクラおじちゃんの最上級の任務となっている。
「いや、ライダーセットのはずだけど」
「じゃ、どーして泣いてんだよっ!」
知るか。
そんなもん親のお前がどーにかしろ。
サクラおじちゃんはそう思ったけれど、後々面倒になるのでチビhydeにストレートに聞いてみた。
「はいど、どうして泣いてるの?
サンタさん、プレゼント間違えたのかな」
「ううん」
チビhydeは頭を振った。
「じゃあ、どうして泣いてるの?」
「はいどが悪いの」
「えー、どうして?」
「はいど、昨日寝ている間に欲しい物変えちゃったから」
「うん」
「サンタさん、きっと間に合わなかったんだー うわーん」
それは間に合わないサンタが悪い。
チビhydeパパがまた間違った知識をチビhydeに植え付けようとするところを、サクラおじちゃんは止めながらまた聞いた。
「はいど、何が欲しかったの?」
「パパとさくらが一緒にねれるおっきなベッド」
「「・・・・・・・・・・・え?」」
「ど・・・どーして?」
ちょっとサクラおじちゃんの声はうわずってしまった。
「だって昨日、パパとさくら一緒にベッドで寝てて狭かったんでしょ?」
「どど・・ど、え? な・なんで?」
サクラおじちゃんは今度はちょっとどもってしまった。
そして脇に嫌な汗がつーっと流れた。
チビhydeパパにいたっては、完全に顔が硬直している。
「さくら、パパにキツいって言ってた。 パパも苦しそうだった」
「「!!!!!!!!!!!!!」」
その後、どうやら現場は見られていなかったことを知ったチビhydeパパが、大きなベッドはチビhydeが大きくなったら幾らでも買ってあげると約束した。
それから、サンタさんがプレゼントを間違えたことは、サンタさんの名誉のために3人の秘密にしておこうねという賢父ぶりを発揮した。