hydeに付き合って勝手に考え事をし始めたサクラに、
今度はhydeが声を掛けた。
サクラが振り向くと、
彼は着ているアメリカ製革ジャンの左胸を広げて見せた。
そこにはふたつの穴が空いていた。
穴は、皮ジャンの持ち主の恋人が18口径のピストルで空けたものだと、
それを買った古着屋の親父はhydeに説明したらしい。
「自分が思っている以外の愛し方がこの世に存在するって俺、
知らなかったな〜」
hydeは誰かに愛されるために常に誰かを愛している。
「そりゃ、お前が恵まれているってことだろ?」
本当はそうでもないと思いながらサクラは言ってやる。
hydeが左手の指で皮ジャンの穴を弄り始めた。
Strumming my pain with his fingers・・・・
(私の痛みを彼の指で奏でてちょうだい)
彼の指の動きを見ているうちに、ある歌の一節をサクラは思い出した。
すると、しばらく横顔でサクラの言葉を聞いていたhydeは、
「それじゃお前も十分恵まれてるってことじゃん?」
と、サクラに向きなおり口の端を少し上げ笑った。
「そうだね」
本当はそれほどでもないんだけどねと思いながら、
サクラは答えた。
それから、綺麗な横顔に戻り、
皮ジャンの穴をまだ探っているhydeを眺め、
先の彼の「たぶん」にほんの少し愛を感じたりした。
08.07.15
終