そんなこと口にしたら絶対コイツは自分の辛さも省みず、
行為を中断させるだろうな、なんてことを思いながら、
赤いチェックのプリーツスカートに、前だけ肌蹴たシャツのhydeを見る。
hydeのスカートは中心だけが盛り上がっている。
櫻澤が女の姿のhydeに自身を突き入れているのは、
もちろん女のソコではない。
そして、hydeの快感を先ほどから表しているものも、女にはない。
異形種たちが集う前夜に、異形な交わりをする。
それは別にいつも通りで、自分たちにしたら普通のことで、
取り立ててなんの特別な意味もないと知っていながら、
それでも櫻澤は気分が高揚するのを感じた。
hydeをスカートごと握り、愛撫を送る。
身体の奥で櫻澤を咥え込んだまま彼は上半身を反らし揺らす。
繋がれた両手で櫻澤の手を捕らえ、
「ちゃんと触れ」
と、まだ命令口調だ。
スカートを捲り上げると、姿とは不似合いなhydeのモノが涙を流し震えていた。
その異形さが尚更櫻澤の身体に熱を帯びさせた。
hydeのペニスに手を伸ばし、腰をゆるやかに動かしながら丁寧に撫でつける。
「あっ・・・あ、そ・・んなんじゃ・・・なくってっ」
「なくって?」
「お前っ・・・あぁ・・もう・・・だからこ〜ゆの・・・やめぃって」
櫻澤はhydeの言いたいことなど分かっている。
分かっているが、『イケナイおぢさん』になってしまった櫻澤は、
hydeに我慢の限界を訴えさせたいのである。
「こ〜ゆのって?」
そう問うと、櫻澤はひとつhydeの中奥を突き上げた。
「あぅ・・・う・あぁ・・そ・そこっ」
「そこ?」
一度捕らえそうになった快感の波。
それを我慢することなど、もうhydeの身体にはできない。
「hyde、trick or treatだ」
「ぅあ・・もぅ、阿呆〜〜・・っ・・と・・中・・・つ・突いてって・・・突け!」
「ごちそうさま〜」
櫻澤は右手でhydeを握り混み、左手で彼の両手を捕らえると、
下から強くhydeの奥を深く突き上げた。
「─ぁっああっあぅあっ!」
ともすれば腰を上げて逃げそうなhydeを、
タイごと下に縛り付け、喘ぎが消えないよう更に激しく自身をぶつける。
「うぅぅ・・あぁっ! あっあっサクラッ・・ぁあっやっ・・そこっ!」
長い髪を振り乱し身悶えるhydeが櫻澤の動きに合わせ、
ベッドに膝を立て自らも腰を使い始める。
髪の合間から覗く上気した頬、絶え間なく喘ぎの漏れる唇、
hydeの身体からは汗が飛び散り、手の中の彼は愛しくも熱い。
「ぁあっ・・サクラッ!・・・っ! ん・・ん・・あぁ・・いい・・あ・もっと」
そして、今までになく長い喘ぎを発し、櫻澤が目眩するほどに
甘美な快感を与えながら、hydeは自分のスカートだけでなく、
脱ぎかけの櫻澤のシャツにも白濁した体液をぶちまけた。
ぴくぴくと麻痺を続けるhydeの中を尚も突きながら、
櫻澤もやがてhydeの後孔にその精を放った。
「これはもう用済みや。 ココに捨ててこっと」
身体のあちこちにその名残を残しながら、
精液でベタついているスカートを両手で広げ、
裸のhydeはベッドの上で櫻澤に言った。
「用済み? もういらねぇのか?」
「そ、目的は果たしたから」
「・・・・・目的? あぁ、ハロウィンのことか」
「そんなことやと思う?」
ニヤ〜と笑いながら、何やら意味深な言葉をhydeに言われ、
櫻澤は興味をそそられる。
「違うのか?」
「う〜、強いて言えばお前の浪漫のためやな」
?????
俺の浪漫のため?
なんだそりゃ?
「良かったなぁ、やっちゃん。女子高生の俺とヤレて」
ニヤニヤしながらベッドのどこかに潜っている自分の携帯を
なぜかしら満足げに探すhydeを見ながら、
『女子高生・俺・hyde・ヤル』
で、櫻澤は自分の脳内を検索し、
かなりスクロールしたところでそれは幸運にもヒットした。
『hyeがこの女子高生だったら俺とSEXしたい?』
『うん』
何だー、この会話?
これ、どこかで絶対言ったぞー?
・・・・・ん?あ、これか?
『ボンジュール・ラルク』
そうだそうだ、あれだーーーー!!!
当時担当していたラジオ番組。
リスナーの女子高生が櫻澤と激しくSEXする夢を見た
という投書内容に盛り上がった後、
なにげにhydeにそう聞いた櫻澤に、
hydeは事も無げに『うん』と即答したのだった。
俺の浪漫って・・・・俺のじゃねーじゃん?
櫻澤は裸のままどこかに電話をしているhydeを見ながらほくそ笑む。
確かに、そんなことをずっと恋人が覚えていてくれて、
しかもその願いを叶えてくれたなんてことが事実なら、
男の浪漫ここに極まるだろう。
だが、
仮にだが、
そのためにわざわざ自分のFCでスーツを作り、
仮装パーティーを計画し、
仮装のためだと銘打ってソレを着た。
いや、となると、それはそれで浪漫じゃないだろうか?
そうすればパーティーに来れないと言った俺に
珍しくあれだけ食い下がったhydeも、
tetsuから聞いた、スーツを着込んだhydeが最初のうち
どこかしら不機嫌面だったということも納得がいく。
なんと言っても、『男の浪漫』が掛かってたんだからな。
「考えすぎかぁ?」
とは思うものの、
電話をし終え「おつかれさん」と、ドロドロになったスカートに手を合わし、
どこか晴れ晴れとした表情のhydeを見ていると、
あながち自分の考えも間違ってないのかもと思ってしまう。
「ところで、お前スーツ捨ててくって、帰りどーすんだよ?」
「あ? あぁ、今ヤスに、下の駐車場に俺の服持ってくるように言った」
「・・・・・へー、そう」
「そこまでお前のコート貸して」
「・・・・あぁ」
女子高生に限らず女装をしてみることや、
制服姿の女性とナニすることが男の浪漫というのなら、
『男の浪漫』というのは何とも可愛らしく、また馬鹿馬鹿しいことであろうか。
「いや、『男そのもの』が馬鹿で、世の中において
それほど大した存在でもないんだろうな」
鼻歌交じりでシャワーに向かった裸のhydeの尻を目で追い、
紫煙をくゆらせながら、
・・・・アイツの浪漫は一体なんなんだろうなぁ・・・・
と、櫻澤は、「こんなことで優越感に浸れるなんて自分も相当お目出度い」