なれない夜


「ただいま」といつもより大きな声で言ってみる。
疲れた身体を引きずって、靴はいつも脱ぎっぱなし。
今晩はちょっと揃えてみた。
おまけに少し端に寄せて置いてみたり。

「お疲れ〜」
「はい、ビール」

プシュッと小さな泡を弾いてプルトップを引く。
音が綺麗に壁に反響した。

「はぁーーー、美味いっ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

服の袖をヒラヒラさせながらリビングへ。
缶を咥えたままテレビのチャンネル。
次々回しても観たい番組は定まらない。
適当なところで止めてリモコンを放り投げる。

コンシュウノカブカ・・・・エンソウバ・・・・ 無骨な日本語ー。

ブラウン管からの灯りだけで、
立ち上がって部屋の明かりをつける気にもならない。

床に座って・・・・寝っころがって、
ソファのところまでいざって・・・・もたれて。
今度はソファの真中に座って。
でも知らない間に端っこで丸くなってた。

後ろ向きに座って、 背もたれに顎乗っけてビール飲んでみた。
味は変わんない。
えーと、今日って何したんやっけ?

「何したんやっけー、俺ー?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ま、えっか〜。

だんだん眉間に皺が寄る。
つ・ま・ん・ねー

仕方ないね、お風呂入るか。
・・・・・・・やっぱ、シャワーにしておこう。

つまんないから服、脱ぎちらかしたるっ!

MADONNAの『LIKE A VIRGIN』歌って、
服脱ぎながら行ったらちょっと楽しかった。

シャワー時間最速記録作ったる。
で、シャワーの途中で気がついた。

「俺のシャンプー切れとるやんかっ!」
「アホー! シャンプーないでー!」

やめたやめた! 
シャンプーもないのにシャワーなんか浴びれるかっての!
汗流したんやし、もう充分やんな!


あ〜、もう! 気が利かへんなぁ。
バスタオルくらい出しとけよっ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺が出し忘れたんや
・・・・・ おもろないなぁ! 
もうっ! もぉうエエわ! 
濡れたまま寝たるし。
ベッド濡れたかて知らんわ。 
ふんっ!

ベッドの真中を独占。 でも、やっぱり知らない間に端っこに寄っていた。


押し売りのようないつもの腕枕を 鬱陶しく払いながらも、
最後は包まれてゆく幻影を見る。
腕枕というより肩に頭を乗せるから、
あのぶっとい手がちょうど胸あたりに降りてきて 俺の乳首を弄ぶ。

こんなふうに・・・。
・・・・・・そう。

そして俺の手がちょうどヤツの錘に届くから。
少し擦って質量が増したら、それが合図。

あぁ、アカん。
欲しなってきた。
でも。
今夜は埋め込まれるアレがないから仕方ない。


一人になれない夜
一人が慣れない夜


翌日、午前中に遠征から帰宅の部屋の主。
付けっぱなしのテレビ
ドアが開いたままの冷蔵庫
絨毯に残るビールのシミ
シンクに放り込まれたパンツ及び 脱ぎ散らかされたSサイズの服
びしょ濡れのバスルーム近辺
そして
ベッドで自分の枕を抱え アヴァンギャルドなヘアスタイルで寝ているhyde(全裸)

を発見する。

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06.08.19
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