もしもの世界 〜LIVE〜


冷たい舌が首を這い回る。

「な・・、サクラ? やめよ・・な?」

冷たい・・・、なんて冷たいんだろう。
舌だけではない。身体を弄る指先も、
サクラ、お前自身の身体もなんて冷たいんだ。
 
「んん・・・・サ、サクラ? どうして?」

なるだけ刺激しないように、静かな口調で問い掛けてみる。
 腰脇から胸までを冷たい舌が舐め上げてきた。

「! ん・・ん」

無理矢理与えられる感覚をやりすごそうと、目をつむり、唇を噛む。
背中にザワザワとした感覚が走る。
 
気づくと、目の前にあの真っ黒な穴が浮かんでいた。
 
「サクラ? 俺が誰か分かる?」
「・・・・hyde」

「うん。 あ、あのね、ちょっとどいてくれへん?」
「・・・・・・・・」
 
止まっていた手が動き始める。
優しく身体を這いながら・・・・・下へつたい、
それは、hyde自身をすっかり握り込む。
圧し掛かる体重差はhydeの抵抗を妨げる。
 
「ぅあ・ぁ・・・・・」
身体も声も震えが止まらない。
 
「サ、サクラ? どうして? な、もうやめて・・」
「俺は・・・アンタのものなんだ、なのに」
「何、ゆうてる・・んんっ・・・・い、いやや! 離せったら!」
 
胸を女のように吸われ、自身は男のいいところを擦られ。
いつも身近にいる者から受けるこの行為。
全身で否定しているはずなのに、
血の流れがひとどころに集中し始めるのに気がつく。
そんな自分が許せない。
 
「あ、サクラ・・なんで? なんで? やめて、な、もう」
「光が輝けば輝くほど、闇は濃くなるんだ」
 
耳元で囁かれる言葉は、まるで謎解きのようだ。
 
「だんだんと境界が明確になって・・・・このままだと・・離れちまうだろっ!」
 
 
荒々しい息使いとともに、行為も強くなっていく。
激しく動く手を止めようと、その動きにサクラから自由になった片手を添えるが、
綺麗に筋肉がつき、自分より一回り以上も太い腕は、どうあがいてもびくともしない。
 
もはや快楽の吐露はすぐそこまで来ている。
しかし、この男の手の中で吐き出すことなど考えたくもない。
 
「んんっ、い・いやだ、サクラ。
 もう、もういやだ・・離せ・・やめっ・・やめろ! んんっ」
 
快感を少しでも紛らそうと浅い息を繰り返す唇を塞がれる。
 
「ふっ、ハッハッ・・あぁ・・ハッ」
 
それでも、外れた唇から苦しい息が漏れる。
尚も激しさを増す動きと、強く吸われる舌、こめかみに力が入る。
 
「ん、ん〜、あ・あ・あ・ああ〜い、いやだ! ああ〜〜!」
 
肩が大きく跳ね上がり、身体がビクビクと痙攣する。
その度に、自分の身体から押し出される精。
 
あぁ・・なんでこんなこと・・こんなこと・・・
恥かしさと悔しさで涙が滲む。
 
 
硬く瞑るhydeの目から流れ出た涙を、
サクラは優しくすくい取った。
 

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