もしもの世界 〜LIVE〜


無理矢理といえども、射精に伴うのは否が応もなく身体の快感だ。
しかし、精神と肉体が融合しない快感はこんなにも苦しいものなのかと、hydeは初めて知る。
今だ気だるさが残る下肢。
なのに、先ほど力を入れたこめかみがギシギシと痛み出し、
傷つけられた背中が呼応するかのように悲鳴を上げだした。
 
ふと、自分の尻に冷たい感触を得る。
見ると、投げ出されていた両足のその片方をサクラが折り曲げ、
排泄器官である場所にhydeの精を塗り込めている。
 
 
これ以上の行為をサクラが求めていることに対し、衝撃と猛烈な怒りが沸き起こる。
 
「サクラ! お前!」
 
あまりの怒りに言葉が途切れた。
蹴倒してやろうと思った瞬間、折り曲げられた足ごとサクラに上から圧し掛かられ、
下半身を曝け出された格好に顔が引きつる。
身体の両脇に腕を立て、上にずりあがり逃げようとしたが、
太ももに手を回され押さえ込まれた。
 
「離せ! 阿呆!」
噛み付きそうな勢いで叫んだ途端、出したことしかない器官に指を入れられた。
 
「!!! い・い・いたい! サクラ! この馬鹿! 何すんや!」
 
力を入れて押し出そうとすると、それ以上の力で進まれる。
ビチビチと肉が押し分けられるような感覚。
痛感と、されている行為への嫌悪感しかない。
再びペニスを握られる。
 
「やめろ、アホッ! 感じるわけないやろがっ!」
 
身体に冷たい汗が浮かぶ。
 
そこを広げようと、増やされた指がグルグルと内臓を回る。
相手に快楽を与えたいと思い施す行為とはかけ離れたもの。
ただ、自分の欲望を埋め込ませるためだけの前戯。
苦痛のみしか感じさせないSEX。
 
こんなことは許せない!
こんな、無理矢理で人格を無視した行為!
 
「サクラのアホッ! 大嫌いや! 離せ! 馬鹿! 気色悪いわ!」
 
「その輝きで闇を隅々まで照らし、その光で闇を浄化してくれ、hyde」
 
「わぁあ!あ、あっ。 いたい! いっ! いたいっ! やだ、いたいっ!」
 
無理矢理身体の奥へ押し込まれる塊から逃れることができず、
もはや、歯を食いしばり、男の身体にしがみつき、
苦痛に耐えることに集中するしかないほど、
その身体から余裕は奪われた。



憔悴し切り、日本人離れした目元にうっすらと滲む涙。
はたり、はたりとその顔にサクラは涙を落とした。
 
「ん? どうしたん?・・・・サクラ」
「・・・・・・・・・・・・」
 
顔に掛かる暖かい感触に、途切れた意識から目覚めたhydeが、
泣いているサクラに少し驚きながら掠れた声で言う。
 
「何で泣くん? 泣きたいんはこっちやろ?」
 
 
 
身体中に散らばる自分がつけた痕。
特に左肩は酷く噛んだときに皮膚が裂け、流れた血が白い肌を変色させた。
それでも俺はそこを執拗に愛撫した。
hydeはその間中、「痛い、やめて、いやだ」と叫びつづけていた。
 
ぱたぱた、ぱたぱた、ぱたぱた・・・・・・
涙が止まらないhyde。
見えない。
 
「お前、ホンマにアホやなぁ。それに酷いしズルイでぇ」
 
「そんなんに泣かれたら・・・・・俺・・・・サクラどつけへんやん」
 
 
フフッ・・・と、小さな笑い声が聞こえるような気がした。
hydeは今、きっと信じられないくらい優しく笑ってる。
そうして俺はまた、光を振り切ることのできなかった自分を思い知るんだ。


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