俺はtetsu。 ラルクで一番ネガティブ思考が似合う男。
故に、体質までもが迷信とか占いとかにすぐに感化される。
そして今日、スタジオに行くまでに頭の上でカラスに3回鳴かれた。
天候は曇天。目の前を真っ黒な猫が横切った。
物凄く嫌〜な予感。
仕事、休んじゃおっかなぁ〜とか思っている間に、到着してもうた。
不吉や。
「おはようさ〜ん」
扉がいつもより重く感じるんは、きっと気のせいや。
ん? メンバーはまだ誰も来てへんのか?
いや、あんな暗闇(に見える)の隅っこにkenちゃんがいてる。
膝抱えて、ヘッドホンつけて・・・・・何や? どないしたんや?
「kenちゃん?」
目が虚ろや。
「あ、てっちゃん・・・おはよう」
「・・・おはよう。 hydeとゆきはまだ?」
そういう俺の問いにkenちゃんは、座っている位置からほぼ
対角線上にある部屋のドアを指差した。
「あっこ」
「二人とも? 何してんの?」
「yukihiroに来るなゆわれた」
それってどういうことやねん?
「どーゆーこと?」
「hydeと二人でお楽しみなことすっから入ってくるなって、
ものごっつい三白眼で睨まれた」
それってどーゆーことーーーー?!
俺がkenちゃんに事の詳細を詳しく聞こうとする前に、
kenちゃんはヘッドホンを付け直し、
嫌味に長い足を折り曲げて再び膝を抱え込むと、
「yukihiro怖い、ゆっきー、めっさ怖い。
俺はなんも見てへん、なんも聞いてへんで」
と言いながら、完全に殻に篭ってしまった。
仕方が無いというより、事情を飲み込むために
俺はkenちゃんが指差した扉を開けてみることにした。
俺がゆきに「入ってくるな」と言われたわけやないし、
何か言われたところでしらばっくれればエエ。
こういうところはポジティブやねんけどなぁ。
さて、どう見ても役に立ちそうもない髭を残して、
俺は扉に向い対角線に歩き出した。
扉に近づくにつれ、二人の話し声が聞こえるようになった。
扉のノブに手を掛けて、少し中の様子を伺った。
すると・・・・
「hyde君、下手だね」
「下手かな?」
な・何が?
「ただ擦ればいいってもんじゃないんだよ」
「・・・ただ擦ればいいと思おとったけど」
何を擦るん?
何か、会話の内容がめっちゃ怪しいんですけど!
も・もう少し聞いてみよう。
「それに、爪なんか立てたって上手く擦れないよ」
「あ、あかんの?」
「こういうもので充分」
「へぇ〜、そんなんでもエエんやぁ」
「したことない?」
「うん、それは初めて」
「綺麗にいけるよ」
「そうなんっ?」
ちょ・ちょーーーー、何や、何や、何や?
そんなものってどんなものなんすか?
ちゅーか、何してはるんすか?
二人してヤリあってでもいてはるんすか?
体育会系のコーコーセイすか?
「hyde君、ホント下手。仕方ないなぁ、もう、見てられないよ。
やったげる、貸して」
「えーーーー!! ゆっきー、エエよ、やめてよ!」
やっ・た・げ・るっ・て・・・hydeのをゆきが?
あ・あかん、あかん、あかんー! それだけはあかんで!
絶対に死守せいっ! hyde!
「何で?」
「な・何でって・・・自分でしたほうが楽しめるし。
こんなんゆっきーにやってもらうほどのことやないし」
あ・当たり前やっ!
いや、でも他人にしてもらえるならしてもらったほうがエエけどな・・・
「何言ってんのさ。あのね、こんなことでも作法ってもんがあるんだよ」
「そんなんあんの?」
あるわけないやろーーーー!! 相変わらず腹黒やな、ゆき!
騙されたらあかんでhydeーー!
「いい? まずは拝む」
「拝む」
拝む?
「擦らせてもらいます」
「擦らせてもらいます・・ちょっと恥かしいんやけど、他人には見せられへんな」
素直にやるなやhydeぉ〜〜〜。
くっ、想像しただけで眩暈してきたわ。
「それで・・・一気に狙いを定めて擦る!」
「あーー」
!!?
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