2008年版真夏のホラー


翌朝、どれくらい気を失っていたのか分からないが、
目覚めた自分は小学生のあの日、
初めて迎えた朝と同じ情けない状態だった。
 
シャワーを浴びてさっぱりしたいのだが、
この部屋の浴室を使う気にはなれなかった。
バスローブを羽織り直し、
廊下に誰もいないことを確認し、
電話済みの隣室のマネージャーの部屋へと行った。
 
彼はバスローブ姿の俺を写真に撮ろうとして、
清掃も行きとどいていないホテルに俺を泊めやがってと、
殴り倒された。
 
その後、チェックアウトを済ませる前のフロントロビーで、
マネージャーはホテルについて詫びてきた。
そして、もうこのホテルには二度と泊りませんよねと、
この期に及んで念を押した。
 
 
 
いや、実はこのホテル結構気に入ったんだ。
 
 
 
マネージャーを殴って以降機嫌の悪かった俺のその言葉を、
彼は相当驚いた様子で聞いた。
だが、本当に驚いたのはそういった俺自身だった。
そして次にはそんな自分に半ば呆れながらこうも言った。
 
 
 
もし今度利用する時があるなら、同じ部屋で頼んでよ。
 
 
 
マネージャーは俺の言葉に少し安堵した表情で言葉を続けた。
 
よかったです。
どういう理由だかはわからなかったんですけど、
口コミ情報でこのホテルすごく評判がよかったんですよ。
 
・・・・・へぇー、そうなんだ。
 
ええ、特に男性のリピーターが多いらしいです。
 
 
以来、俺はそこに時々お世話になっている。
そのホテルがどこのどういうホテルであるか、
はっきりとは言えないけどね。