サクラに向かって両膝を盾のようにしてソファに座ってい
るhyde。
サクラはhydeのその両膝を割って自分の身体をそこに割
り込ませると、彼がタンクトップの上から無造作に羽織っ
ていた白のスタンドカラーのシャツのボタンをひとつずつ外
しにかかった。
「ちょ、ちょっと! 何してんにゃ!」
叫んだhydeの口を覆い、耳元で「しー」と囁く。
「黙っとれるか、阿呆!こんなとこでなんちゅーことするつ
もりやねん!阿呆ー!変態ー! だれ・か・・・・んーー!」
頭を振ってサクラの手を口元から外したhydeが大声を上げ
たが、hydeの作詞の邪魔を気にして今までだって誰一人、
このフロアには上がってきたりはしなかった。
騒ぎ始めたhydeの口を再び押さえ込むとサクラは、足掻く
hydeの両脚に乗り上げ、素早くその手をhydeの股間へと
滑らせた。
hydeの身体は一気に硬直し、塞いでいる手の下で「ひっ」
と小さく息を吸う音が聞こえた。
「気に入らない奴や五月蠅くて生意気な奴を黙らせる効果
的な方法」
男子校にいたサクラは先輩から伝授されたことがある。
服従させたい奴は生半可にボコるよりも、ひん剥いて手の
中で吐精させるほうが簡単だ。
無理矢理であればあるほど効果的だ。
性的な意味はない。
他人に見られたくない姿を晒させて、精神的なダメージを与
える。
先輩命令で入部直後の後輩が揃ってマスを掻かされるの
もこれと同じだ。
某国防衛機関の末端でさえもこんな古典的精神教育がい
まだになされている。
こちらはむしろ、反感意識を根こそぎ萎えさせるためと、変
な同胞意識を芽生えさせるためらしい。
同じ釜の飯同様、同じマスかいた仲間である。
「やめてよこんなことするの」
さっきとは打って変わってhydeは弱々しい声で訴えてきた。
なるほど先輩、効果てきめんです。
俄然楽しくなってきた。
このままコスって逝かせたら、コイツどーするかな?
泣くかな?
いや、それよりも。
hydeもやっぱりこういうことして気持ちよくなったりするんだ
ろうか?
いつも澄ましたような顔をして、人を煙に巻いた言動の多い
hydeだが、hydeも人の子、普通の男の子、そんなところを暴
くのも面白いかもしれない。
サクラは体育会系のノリだろうが、hydeにとっては迷惑なこ
とこの上ない。
「いやだ」と身をよじったところで、不自由な両手に視界まで
塞がれ身体の上に乗られていては、猫に捕まっていたぶら
れるネズミのようなものだ。
じわじわと責められ始めた自身にも、視界が利かないぶん
否が応でも与えられる感覚に集中してしまう。
「あ・・・はぁ・・あ、やめてよ」
後ろにもたれた壁にhydeの身体が反応するたびに肩が当た
り鈍い音が部屋に響く。
その音が、着衣もろくに脱がされず、下半身だけ取り出され
て施されている行為に、無理やりなはずなのに反応している
hydeの淫乱さを示しているようだった。
きっとhydeは悔しいというよりも恥辱を感じているはずだ。
救いは顔を覆っているアイマスク。
サクラの顔はおろか、これだとhydeの濡れた表情もほとんど
サクラには分からない。
はっきり誰とは分からない相手にさえこんなになってしまう
自分。
できたらこのままお互いに知らない顔ができる状態で事を終
わらせてほしいと思っているに違いない。
袋の中を擦りあわせてやると、hydeは押さえつけられている
両足でさえ浮き上がるほど感じた。