今年ラルクは結成15周年を迎えた。
今思い返せば、こんなに個性的で我が儘な連中が4人、
元を入れれば7人結集し、よくもここまで続いたものである。
当然紆余曲折、山あり谷あり、波瀾万丈な15年ではあったものの、
それぞれがそれなりに、『ラルク』という飛行船の乗り心地の良いところだけに
足を引っかけながら飛べたという環境が良かったのであろう。
さて、15周年のアニバーサリーに伴い、
この数ヶ月で『ラルクらしい』セールスもまた展開してきたわけであるが、
ライヴにおいて「ラニバグッズ」なるものが今ひとつ決定打に欠けると痛感している
(とは言うものの、常にその決定打には欠けてきた彼らではあるのだが)
男が一人、ここにいた。
「とぉ、ゆうわけでやな」
「どこがどーゆーわけ、てっちゃん?」
「細かいこと気にするんはkenちゃんらしくないな」
「うん、分かった」
「つまり、グッズで君らがプロデュースするんやったら、どんなんしますか。
ということをお聞きしたいわけです」
「そんなの今更聞いたって今回には間に合わないよ?」
「ゆき、ラニバは15周年だけとちゃうねんで。これから20周年かて、
25周年かてTDL並にあんねんで。 そんとき今年以上のことせなんだら
ファンかておもろないやろ?」
遠い霞みたいなヴィジョンいっつも見つめてるんやね、てっちゃんは・・・
自分など、我がFCが5周年なんてことソロライヴに帆走していてすっかり
忘れていたのに、ラルクが20周年のときはこっちは10周年かぁ、
面倒臭そうやなぁ。25周年? うわぁ、四半世紀ラルクやってますって
そん時歌える歌ってあんのかなぁ俺?くらいにしか思っていなかったhydeは、
暇そーに携帯をいじりながらも、
相変わらずなtetsuのマネジメント性をいたく感心していた。
「つまり、我々の意見を今後に活かそうとゆうわけやね?」
「そーゆーこと。で、kenちゃんやったらどーする?」
「ふ〜ん・・・先のことは思いつかないけど、今回やったら苺型のピックとか?」
「まぁ、無難でインパクトないな、ゆきは?」
「苺チョコ」
「ライヴ中に溶けるやろ?」
「みんな真剣に考えてる? あんな? 次20周年ゆうたらな、俺らも歳くってるけど、
あちらさんもそれなりにいってんにゃで? 今高校生、大学生の子は社会人。
同年齢層として多いちっちゃい子供さん抱えてはる主婦は子育てからほぼ解放
されて、まぁ、パート主婦やな。それどーゆー意味か判ってるか?」
別にこんなこと自分らが真剣に考えるようなことでもないと思いながらも、
最近ちょっと練習にも飽きてきたメンバーは、
面白半分にtetsuのセールストークに耳を傾けることにした。
というより、論議するのが怠い。黙ってここは聞いておこう。
「つまりやな、かなり自由になる小金持ってはるってことやろ?
今回かって5万のロイヤルシートが即、完売なんやで?
ピックやらチョコ売ってる場合とちゃうやろ。
今までのツアーパンフの再刷・再販でBOXセットにして未公開写真と
未公開映像ちょこっと入れて3万みたいなんでもきっと売れんで」
ウザい。
てっちゃん、めちゃんこウザい。
そんなものは外注通販に任せればええんや。遠隔地からやってきたファンが
そんな重たいグッズを買って帰るなんて思えへん。
結局てっちゃんは最後のツメが甘いんよな、と思いながら、
暇だけど練習は飽きてしたくないhydeはライブグッズについて
少し考えてみることにした。
まずは、今回はドームで2日間。
ラルク規模のセットになると移動だけで費用が掛かる。
一番効率のいいのは動かずに何日もやることだが、流石にそんなことをすると
ラルクは地方のファンをおざなりにしてるなんて言われ兼ねない。
とすれば関東での2日間で切り上げて、来てもらったファンに限界まで
金を落としてもらうほうがいいに決まってる。
しかしてそのグッズだが、コストも掛からず納品場所も取らず、
ファンが手軽に幾つも買えてインパクトがあり尚かつ喜んで貰えるものって......
ちょっと一服しよっ、とジャケットの煙草に手を伸ばすと、
後でメンバーに見せようと思ってそこに忍ばせておいたとあるものに手が当たった。
!!!!!
そうやん、これやん!
もともと売ってるもんなんやからこれの為だけに生産ライン造る必要もないし、
賞味期限もあってないようなもんやろ?作り置きできる。
原材料なんてたかが知れてるからコストも掛かからん、場所もそう取らへん。
残ったとしても再利用できるから引き取ってもらえるし、
ラルク色満載。お土産で買って帰ってもきっと喜ばれる(?)
・・・特に妊婦さんなんかには安産祈願で喜ばれそう!!
「はいっ! てっちゃん!」
「はいっ! hyde君!」
「こんなんどう?」