熟(う)れた関係


ガチャッとキーを開ける音がした。
 
「あぁ〜〜、つっかれたぁ〜〜」
 
アポなしの突然の訪問者は玄関でそう呟くと、
当然のように家に上がりこむ。
 
「サクラー、おるんやろー?」
 
いるよ。いるの分かって上がってきてんだろ?
今晩か明日辺り来るかとは思っていたけど。
今はちょっと勘弁してほしいなぁ。
 
そう思っている間もなく、
篭っている部屋の扉が乱暴に開けられる。
 
「おるんなら返事くらいせい。 帰ったで」
 
見つかっちまった。
別に隠れてないけど。
しかし、人ん家入って来るなりデカイ態度だな。
いつものことだけど。
 
「お帰り。 折角お越しいただいて申し訳ないんですが、
今取り込み中でしてね」
 
素っ気無くPCの前に座って作業を続けたまま
振り返ることもせずにいる。
 
「仕事?」
「そ、今度出すアルバムのね」
「ふーん」
 
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
 
ふーんって、おまえね! それ以上は何もないのかよ?
と思っていると、後ろから首に腕が纏わりついてきた。
 
「なぁ〜サクラ」
 
抱きつかれて熱っぽい体温がじんわり伝わってくる。
アルコールの匂い。
 
「酔ってんのかよ」
「んふふ〜、皆と別れ際にちょっとね」
 
ちょっとかぁ〜?
 
回転椅子をグルンと回されてご対面した久し振りの恋人は、
かなり上機嫌で、それでもって少し痩せていて、
浮き出た鎖骨とシャープな頤のラインに色気が増していた。
目を合わせたら絶対ヤバイと思っていた殺傷能力200%の
眼力は300%になっていた。
 
「久し振り、サクラ」
 
おまけに座っている俺の上に跨って、首ッ玉にぶら下がった。
ハイハイ、降参。
 
「少し痩せたな」
 
鎖骨に舌を這わせ、脇から肌に侵入させた右手で薄くなった背中を撫ぜる。
 
「俺、あさってにはまたこっち出る」
 
「んじゃ今晩はいいんだ」
 
こうなったhydeに抵抗しても無駄だ。
まぁ、抵抗する理由もないが。
 
寝室に行くまで俺は情けなくもTシャツの裾を引っ張られ、
部屋に入った途端、hydeにそれを脱がされた。
hydeは俺をベッドに押し倒し、
ベッドサイドで重ね着していたタンクトップとTシャツを
2枚同時に脱ぎ捨てて、後ろに放り投げた。
 
「おいおい」
「やって、はやくシたいんや」
 
溜まってるのね、hydeさん。
なんて悠長なこと言ってらんねーぞ、こりゃ。
 
ズボンも下着と一緒に豪快に脱ぎ捨てたhydeが、
壮絶な色香を発散させながら迫ってくる。
 
うわー、美人度上がってるぜ。
たまらん。
しかも今晩はヤル気満々のhyde。
久々に美味しすぎるな、コレ。
 
仕事とSEX(hyde)、どっち取るかと聞かれたら、
当然、なんの迷いも無く後者を選ぶ櫻澤です。
遠慮なくいただきます。
自分も速攻マッパになる。

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